閲覧記事記事一覧へ

心の時代の到来


私は、コロナウィルスがそれまでのインフルエンザと大して変わらないものなのか、それとも、本当に脅威的なものなのか、それはあまり気にならない。生物兵器なのか自然発生的なものなのかも気にならないし、このパニックが作為的なものなのか偶発的なのかも気にならない。たぶんそれらを追求していても、私には突き止めることができないと思うから。

いちばん気になるのは、「このコロナ危機は人類にとってどんな意味があるのか。」、そして、「コロナ収束後の未来社会で私たちはどうあるべきか。」ということ。それをずっと考え続けてる。

私はこのコロナ危機は、個人的には今の調子だと最低でも2年は続くのではないかと感じてる。オリンピックは1年ほど延期になったようだけど、それまでに終息しているとは考えにくいし、それどころか2022年の冬季オリンピックでさえ開催は危ういと思ってる。

そして、それだけ長いあいだ経済が停滞すると、コロナ危機収束後の社会は、これまでの延長ではなく、かなり異なったものになるはずだ。

その社会は、ミクロ的に言えば、テレワークが進むとか、東京離れが進むといったこともあると思う。しかしマクロ的には、もっと大きな変化が訪れる。それはどんな変化なのか。

私の直感によれば、それは「心の時代」へのシフトだ。

ただ、それはもう、ずっと前から多くの人が気づいていたことだ。でも、なぜ今まで、その時代にシフトしきれずにいたのか。

それは、新しい未来社会にシフトするには、今あるものを一旦手放すというフェーズが必要になる。たとえば、部屋を大掃除するときに、部屋の中にある家具を、そのままにした状態で掃除するのと、それらの家具を一旦思い切って全部部屋の外に出してから掃除するのでは、同じ掃除でも次元が違う。後者の方が、部屋が新しく生まれ変わるような掃除ができる。

その古いものを全て手放すフェーズ、それこそが今回のコロナ危機だと思う。

私たちには今、生きるために必要なものは十分に揃っている。しかし、何のために生きるのか。どんな意味があるのか。それに答えてくれるものが何もない。だからこそ、それに答えていくことが、これからの時代なのだ。

おそらくこのコロナ危機は、その古いものを全部出し切ったとき収束する。今、巷では、どうやって資産を防衛するかとか、どんな株を買っておくべきかとかそういう話題がよく見られるが、そんなレベルでは済まないと思う。そういう物の時代はこれで終焉し、人々の心を本当に豊かにしていく「心の時代」が始まる。

その新しい時代の到来を、無意識であっても予感していた人たちは、もう既に準備ができているのだと思う。

ある人は、理性的なスキルではなく、感性的なスキルを磨いてきた人もいるだろう。またある人は、瞑想や悟りを通して、ひとつに繋がった世界を見ている人もいるだろう。物を提供している人であっても、人間と切り離された機能や性能の追求だけではなく、ちゃんと人間と繋がった価値を提供してきた人もいると思う。

これからは、人や物や国のあいだを分離させていたあらゆる境界線がすべて薄れていき、人類全体が一つの生命体のように統合させようという動きが始まる。私たちは今、その大きな歴史的転換点に立っているのだ。


関連記事

2015年05月06日(水)

ものづくりの主役は大手メーカーから個人へ

これまで、「製品」をつくることは、大手メーカーの特権だったように思います。なぜなら、製品をつくるには、生産設備がいくつも必要で、それらは巨額なため個人が導入す…

続きを読む
2024年01月22日(月)

新製品の魅力とは

続きを読む
2014年03月31日(月)

縦型社会から横型社会へ

人類はこれまで、武力や権力、財力を行使して人間が人間を支配するという「縦型」の社会を長く続けてきました。しかし、近年その構造はだんだんに実力主義的であり、パー…

続きを読む
2020年05月13日(水)

人々の死生観が変化する

最近、自分は死ぬんじゃないかと思うことが多い。コロナをきっかけに、むかしお世話になった高齢の元上司の3人に電話して、まるでこれが最後かのような会話をしてる自分がいる。

続きを読む
2021年02月16日(火)

存在とは何か

人間は自ら作り出した存在に勝手にむかついたり、素晴らしいと感じています。だから客観などありません。主観しかないのです。

続きを読む