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若者から学べ(NEET論)

若者の感性は、社会を別次元へ変革させてしまうほどの可能性を持っています。社会経験が未熟な分、良くも悪くも既存の先入観に左右されず、等身大の視点で社会を見ているからです。私たち大人は、そのことを念頭に置いて、若者たちと向き合って行かなければなりません。彼らの行動が一見非常識なものに思えても、その意味を考えて、そこから新しい時代の息吹を学び取る姿勢が必要です。私たちが疑いもなく見ているそれらを、若者はまったく新たな視点から見ていることがあります。

NEETという存在を皆さんはどう考えますでしょうか。怠け者の非生産者なるNEETのことではなく、ここでいうNEETとは、趣味であれ何であれ、何かしらを生産している人たちの事です。私は彼らの存在に関心すら抱いています。彼らは「働いたら負け」という言葉を時に発しますが、きっとこれは本心ではありません。正確には「やりたくないことはしない」という気持ちを強く抱いているんですね。働く事が嫌なのではなく「自分の関心のない事のために人生の時間を割きたくない」という心情を持っているのだと思います。当然のことながら、人は関心のあることであれば使命感を持って精進することができます。しかし、これまでの常識では、好きな事だけを仕事にするといったような考えは「甘え」だったのかもしれません。そんな中、彼らのような人種が現れてきた事は、その常識を変革させる息吹だと捉えることもできるのではないでしょうか。来るべく知識社会の中で人々の働き方は変化します。その端的な存在がNEETなのだと私は思います。

NEETは言うなれば時代が知識社会に移行する中で、必然的に出現した社会思想運動です。「やりたくないことはしない」という思想を彼らは一貫しています。ですが、ここで見誤ってはならないのは彼らが、生産をしていないわけではないという点です。ネットニュースに独自性のある批評をし、投稿サイトにプロ顔負けのイラストを投稿し、動画サイトでは生放送までやってのける。これらは「まだ」大々的に金銭に換算されてはいませんが、間違いなく生産であるように思います。これからの仕事は「生きる糧を得る手段」から「生きる目的(生き甲斐)」となろうとしているのです。

NEETの話す言葉を聞いたことがありますでしょうか。彼らは時として実に的を得た社会批判をします。「決まった時間に決まった場所に行って、決まった時間に帰ってくる。僕らはそういう考え方がないので」これはとあるNEETの若者がテレビのインタビューに答えた一言です。私はこれを聞いたときに、なるほどと感心しました。この若者の言葉から、人が仕事に尊厳を求め始めていることを感じたからです。そもそもが、人間という自由意志を持った生き物を、時間や場所で一律統制する事自体に無理があることは、少し考えればわかることでした。若者の感性は、本人すらも無自覚のまま現代社会の改善点を実直に捉えている事があります。私たち大人はそこから新たな視点を学ぶ事ができるのではないでしょうか。



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