思い込みのフィルタ
私たちが創造的な仕事をしてゆく上で、1つ理解しておかなければならないことがあります。それは「思い込み」についてです。私たちはあらゆることを認識しながら生きています。そしてその認識の多くは「思い込み」によってなされていることがあるのです。
例えばワインの味なんかはどうでしょう。ボルドーワインの第一級銘柄が記載されたラベルを、実際は低級銘柄のものに張られてあったとして、それを高級イタリアンのお店なんかで飲んだとしたなら、ほとんどの人は「一級品はやはりおいしいな」と感じてしまうのではないでしょうか。これは「おいしいはずだ」という思い込みが当人にあることで、このワインの味を「おいしい味」と認識させているためです。
これらのような例を上げ始めたらキリがない程に、私たちはあらゆる思い込みに基づいて物事を認識しています。つまり実際には「丸」いものを「三角」だと認識していることがあるということです。こうした視点を導入してみることで「自分の考えが必ずしも正解だとは限らない」という事実に1つ気がつくのではないでしょうか。また、必要であれば対象の本当の価値について改めて知りたいと思えるはずです。私たちが創造的な発想をしてゆく上で、様々な思い込みの存在に目を向けるという事は大切な事なのかもしれません。