閲覧記事記事一覧へ

新製品の魅力とは

先日レストランで食事をしていたら、左斜め後ろの女性二人組の会話が耳に入ってきた。

「格付けチェック観た?」
「観てない。録画してあるけど」
「放送してる時に見るから面白いのに」

そういえば自分も、映画をいくつかPCに保存してあるけど、それよりも Amazon プライムとかで配信されてる映画ばかり観ている。保存してある映画の中にも良い映画はあるのに、それらは放置したままで、配信しているほうの映画ばかり観ている。それはたぶん、「ほかの誰かも観ている」ということに、何か魅力を感じているからだと思う。だから、女性が言っていた「放送してる時に見るから面白い」というのは何となく共感できる。

そのあと家に帰って、スマホを眺めていたら、偶然だがメトロノームが同期していく不思議な現象を捉えた動画を見た。バラバラのリズムを刻むいくつかのメトロノームを、振動の伝わりやすい台の上に置くと、共振現象が起き、やがて全てのメトロノームのリズムがピッタリ一致するのだ。

ほかの誰かも観ている番組とか映画を観たいという気持ちは、メトロノームを台に載せる行為と似ている気がした。それぞれがバラバラに過ごしていても、ときどき共通の台の上に乗り、社会との同期をとりたいというか、一体感を感じたいということなのかもしれない。

話しは飛ぶが、そう考えたとき、自分の中で「新製品」に対する考え方が変わってくる。多くの人は、既存製品よりも新製品に魅力を感じる。でもその理由は、新しいからというよりは、社会との一体感を感じたいからなのかもしれないと思った。古いものであったとしても、ほかの誰かも使っていると感じられれば、人は魅力を感じるのかもしれない。


関連記事

2020年09月12日(土)

レコードの売り上げ、CDを上回る

科学より哲学、客観より主観、競争より独創、現実より本質、理性より感性。レコードが売れるのは、私たちの社会がそういう方向に向かっているからではないでしょうか。

続きを読む
2014年04月18日(金)

若者から学べ(NEET論)

若者の感性は、社会を別次元へ変革させてしまうほどの可能性を持っています。社会経験が未熟な分、良くも悪くも既存の先入観に左右されず、等身大の目線で社会を見れるか…

続きを読む
2021年02月16日(火)

存在とは何か

人間は自ら作り出した存在に勝手にむかついたり、素晴らしいと感じています。だから客観などありません。主観しかないのです。

続きを読む
2014年04月04日(金)

雨が降れば傘をさすという素直な心

仕事をしてゆく中で「素直な心」を持つ事はとても大切な事です。 このことを仕事への姿勢としてはじめて大々的に提唱された方としては、松下幸之助さんが思い出されます…

続きを読む
2015年05月06日(水)

ものづくりの主役は大手メーカーから個人へ

これまで、「製品」をつくることは、大手メーカーの特権だったように思います。なぜなら、製品をつくるには、生産設備がいくつも必要で、それらは巨額なため個人が導入す…

続きを読む