誰もが自分の人生の経営者
最近、「ブラック企業」という言葉をよく耳にします。確かにブラックと言われても仕方のない企業もあるのですが、私は、ユニクロとか楽天がブラック企業と聞くと、本当にそうなのかな?と思ってしまいます。というのは、ユニクロや楽天がブラックだとすると、ほとんどの企業がブラックということになってしまうような気がするからです。それに、「ブラック企業」と言った時点で、既にその人はその企業に依存していることになり、なのに、その企業に対して強い不満を抱えているという矛盾も感じてしまいます。
ふつう経営者と言うと、企業の経営者を思い浮かべますが、私は、誰もが自分の人生の経営者であると思っています。というのも、自分の人生に責任を持つのは誰かというと、自分以外に他ならないからです。他人が自分の人生に責任を持ってはくれません。
例えば、自分の勤める会社から、かなり負荷の高い仕事を命ぜられたとします。そしてそのことによって精神的にも肉体的にも、その後の人生に影響を与えるほど、大きなダメージを受けたとします。これは、それを命じた企業側にも問題があることは間違いありません。しかしその一方で、社員側にも交渉したり相談したりして何らかの対策を試みたり、あるいは、極端な言い方かも知れませんが「辞める」という選択肢もあると思うのです。自分の人生の経営者として、それほど大きなダメージを受ける前に、決断をしなければならない時があると思うのです。(図解参照)
もちろん、そんな簡単にいかない時があることはわかっています。そもそも、入社する時にブラック企業かどうか見極めがつかないという事情もわかります。でもそれは、企業側も全く同じのなのです。ブラック社員という言葉があるとすれば、ブラック社員を入社前に見極めることは困難ですし、その社員の採用によって会社が損失を出してしまったとしても、その社員に賠償を求めるわけにもいきません。なぜなら、その社員を採用すると決めたのは企業だからです。
私は、ブラック企業の話題を耳にするたびに、誰もが「自分の人生の経営者」という自覚が必要ではないかと思ってしまいます。