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絶対世界と相対世界

「1つの事象には相対的な2つ以上の側面が内包されている」という話を以前しました。(記事:腑に落ちることと、理について参照)。この考え方が、これからの時代にいかに重要になっていくかということを少しずつ述べていきたいと思います。

ここに一枚のコインがあるとします。このコインには表と裏という2つの側面があります。表と裏の2つがあってはじめてコインと言うことができます。表しかないコインを見たことはありませんよね。さらにその「表と裏でコイン」を2つの側面のうちの1つと考えてみます。するとその対となるもう一方の側面は、コインが「無い」状態ということになります。つまりコインが「有る」状態と、コインが「無い」状態という2つの側面があって、はじめてコインと言えるのです。

もうひとつ例を挙げたいと思います。例えばあなたが今、何らかの病気になったとします。「病気になる」という1つの事象には、病気にする側、つまり、病原体などの病因と、病気にされる側、つまり、あなたの体という2つの側面が内包されています。病気を治すためには、病原体に侵された部分を取り除けばそれで完治と考えがちですが、病原体に侵されやすいあなたの体を改善しなければ完治したとは言えません。このように1つの事象には相対的な2つ以上の側面が内包されているという意識があれば、完治のためのアプローチが変わってくるのです。さらにその病気を2つの側面のうちの1つと考えてみます。するとその対となるもう一方の側面は、「病気にならない」状態ということになります。つまり、「病気になる」ためには、「病気にならない」状態が存在しなければ、病気という概念すら存在しません。もし世界中に病気を患っている人が一人もいなかったり、逆に世界中の誰もが病気を患っていた場合、病気という概念すら存在しないことになるのです。

このように1つの事象には、相対的な2つの側面が内包されていて、その1つの事象も、さらにその上の事象である2つの側面のうちの1つであるということがわかっていただけたと思います。そしてもうこれ以上、その上の事象がないというところまで続けていくと、必ず最終的に「有」と「無」がペアになります。これは、量子力学で言うところの対消滅と対生成によく似ています。全ての粒子は「対生成」といって必ずペアで生じ、バラバラに動き回り、その間だけ物質となります。そしてそのペア粒子と出会うと「対消滅」といって、莫大なエネルギーと共に消えて無くなるのです。

私たち人間は、このような相対的な2つ以上の側面を持つ事象しか認識できません。1つだけでは比較対象がありませんから認識できないのです。ですから、私たちがこの宇宙空間を認識できるということは、その対となる空間があるということです。その空間は、最新の理論物理学で「膜」と呼ばれています。しかし、宇宙空間や膜といった相対世界は、すべて錯覚であり、真実には存在しません。真実に存在するのは、宇宙空間も膜も両方できる「何か」しかありません。しかしこれは人間には認識できない絶対世界なのです。

何か変なことを言っているように思うかもしれません。しかし、これらから得られる考えは、今後の時代においてとても大切なことを示唆します。その意味は、自分たちが生きている世界が相対世界だという認識を持つ事で、あらゆることの両側面を受け入れてゆく事ができる、ということです。これからの時代、様々な国の文化や考え方が混在し、より多種多様な人たちと共存してゆく能力が求められていきます。「これが絶対正しいんだ」といった考え方では、生きていけないような社会になってきているのではないでしょうか。我々人間が今後共存してゆくのに、このような視点を持つことは意味のあることだと思います。



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