閲覧記事記事一覧へ

新製品の魅力とは

先日レストランで食事をしていたら、左斜め後ろの女性二人組の会話が耳に入ってきた。

「格付けチェック観た?」
「観てない。録画してあるけど」
「放送してる時に見るから面白いのに」

そういえば自分も、映画をいくつかPCに保存してあるけど、それよりも Amazon プライムとかで配信されてる映画ばかり観ている。保存してある映画の中にも良い映画はあるのに、それらは放置したままで、配信しているほうの映画ばかり観ている。それはたぶん、「ほかの誰かも観ている」ということに、何か魅力を感じているからだと思う。だから、女性が言っていた「放送してる時に見るから面白い」というのは何となく共感できる。

そのあと家に帰って、スマホを眺めていたら、偶然だがメトロノームが同期していく不思議な現象を捉えた動画を見た。バラバラのリズムを刻むいくつかのメトロノームを、振動の伝わりやすい台の上に置くと、共振現象が起き、やがて全てのメトロノームのリズムがピッタリ一致するのだ。

ほかの誰かも観ている番組とか映画を観たいという気持ちは、メトロノームを台に載せる行為と似ている気がした。それぞれがバラバラに過ごしていても、ときどき共通の台の上に乗り、社会との同期をとりたいというか、一体感を感じたいということなのかもしれない。

話しは飛ぶが、そう考えたとき、自分の中で「新製品」に対する考え方が変わってくる。多くの人は、既存製品よりも新製品に魅力を感じる。でもその理由は、新しいからというよりは、社会との一体感を感じたいからなのかもしれないと思った。古いものであったとしても、ほかの誰かも使っていると感じられれば、人は魅力を感じるのかもしれない。


関連記事

2020年04月10日(金)

もののあわれ

私は、コロナウイルスに罹った人が、事前に「死に至ることがある」という知識を知っていた場合と、知らなかった場合では、死亡率が異なるんじゃないかって思っています。

続きを読む
2020年07月15日(水)

人類社会の大きな潮流

いま、人類社会には、グローバル化からグローカル化へ、中央集権型から自律分散型へ、画一化からパーソナル化へという、大きな流れがあると私は思っています。

続きを読む
2018年01月03日(水)

これから私たちに求められる「自分なりの哲学」

今まで企業というのは、属人化を防ぎ標準化に力を入れてきた。つまり、特定人物のスキルに依存することなく、誰がその仕事に就いても一定のクオリティーが保てるよう...

続きを読む
2014年05月29日(木)

受注型企業と自立型企業のちがい(マネジメント編)

私は、受注型企業と自立型企業の両方を経験しています。その違いをシンプルに言うと、受注型企業は「他社」の企画したものをつくり、自立型企業は「自社」の企画したもの…

続きを読む
2014年03月31日(月)

理念経営

私は、経営者という立場でありながら、「人に悪く思われたくない」という性質があるせいか、言うべきことを言えないことが多く、反省することが何度もありました…

続きを読む