0→1と、99→100
私は仕事というのは、その進捗が0%から1%のときと、99%から100%のときが、いちばん苦しく時間がかかり、かつ、いちばん重要であると思っています。ところがそれは、周りから見るといちばん軽視してしまいがちな状況なのです。
0%から1%のときは、何もないところからアイデアを考えるわけですから、それには大変な生みの苦しみを伴います。にもかかわらず、それが画期的で今まで誰も考え付かなかったアイデアであればあるほど、人になかなかその価値を理解してもらえません。それどころか、否定され消えてしまうものも多いでしょう。
99%から100%にするときも同様です。「どうしてそんなことにいつまでも時間をかけているのか?」「そんな細かいことにことにこだわっても意味がないのではないか?」と言われたりするのです。つまり、2~98%のときは、かけた時間に対して得られる成果が比例しやすいのですが、最後の1%は、当事者でないとわかりづらいような最後のツメをしていることが多く、人に理解されずらいのです。
しかし、その仕事を通じて出来上がった製品なりサービスの価値は、0%から1%のときと、99%から100%のときに決まると言ってもいいでしょう。このときに如何に踏ん張れるかでその価値は大きく異なるのです。
0%から1%のときと、99%から100%のとき、経営者や上司は、社員の努力を認める努力をしなければならないし、また社員もその努力を認めてもらえるよう努力しなければなりません。価値の源泉は、0%から1%のときと、99%から100%のときに生まれているのですから。